どのくらいのインターバルで点検をすべきか
日本では、製品を製造する工場などの製造工程に使われるような計測器については、jcss校正により然るべき業者から認定された計測器を使わなければなりません。これは計量法という法律の改定によるものであるということができます。ですがこの法律は改訂されてからまだ10年ほどしか経っておりませんので、いまだその内容は充実しているとは言いがたいです。例えばjcss校正の頻度ですが、その回数が法律で定められているのは、国家が保有する標準器についてのみ、その頻度が規定されています。これは計測器の種類に依存しますが、国家が保有する標準器については例えば1年に1回はjcss校正をしなければならないなどとなっています。ですが私たちが一般的に使っているような工場の生産ラインで使われる計測器についてはjcss校正の頻度は極めて曖昧です。それに合格してしまえば末永くその計測器を使うことができるということになります。製造工程で大切な器具には長さを測る計測器もあります。長さを測るための計測器についても定期的に点検を受けなければなりません。ですが長さを測るための計測器については、その頻度は極めて曖昧となっています。いったい長さを測るための計測器はどのくらいのインターバルで点検をしなければならないのでしょうか。それが実は大きな問題となっています。
日本の大企業はこぞってこのデミング賞を目指しました
一昔前の製造工場の品質管理といえばそれは地球の裏側にあるアメリカで開発されたTQCトータルクオリティコントロールと称される品質管理システムでした。トータルクオリティコントロールシステムは全く画期的な品質管理システムの方式です。アメリカにある本部で日本の製造工場がトータルクオリティコントロールシステムを導入しており、厳しい審査により、その品質管理の状態が一定のレベルに達していると判断されれば、それであのデミング賞が受賞できたということです。半世紀前ものお話ですが、日本の大企業はこぞってこのデミング賞を目指しました。
国際標準化機構が提唱する品質管理システムに移行
それだけ戦後の経済復興を支え続けてきた製造工場の品質管理が大切であるという証でもあります。一番最初にそれが発明されたのはアメリカですが、その技術の素晴らしさゆえに、トータルクオリティコントロールシステムは太平洋を越えてわざわざ日本まで押し寄せてきました。当時の日本の製造工場を振り返ってみると、未だにその記憶は生々しく人々の脳裏に焼き付けられています。毎日毎日がトータルクオリティコントロールシステムを使った品質改善の努力の日々でした。今の日本の高い品質を支え続けてくれているのがアメリカで開発されたトータルクオリティコントロールであということができます。今はそれがスイスのジュネーブに本部があるISO国際標準化機構が提唱する品質管理システムに移行されています。